ここ数年、建築費の上昇が続いています。 要因として鉄や木材などの資材価格が上がっていることに加え、建設業界での人手不足による人件費の高騰、さらには円安の影響も含まれます。
一般財団法人建設物価調査会が公表した「建設物価建築費指数」の資料では、集合住宅(鉄筋コンクリート造)の工事原価について2015年1月を100とした場合、2025年7月では139.0と10年程で約4割も高騰しています。
加えて、土地価格も人口が流入する都市部を中心に上昇しており、「土地を購入して建物を建てる」という計画は、土地と建築の両面でコスト増となっています。
さらに最近は、金利の上昇も投資環境に影を落としています。長引く低金利時代が終わりつつあり、借入による資金調達の負担は確実に増えています。
こうした「建築費 ↑」「土地価格 ↑」「金利 ↑」は、相続や事業承継の対策として不動産を活用する場面にも影響を及ぼしています。
・利回りの低下
家賃収入が同じでも、建築費や借入金利が高ければ収益性は低下します。
・借入負担の増大
返済額が膨らみ、次世代に承継した際に大きな負担になるリスクがあります。
・節税効果の目減り
高額な建築費をかけても、期待するほど相続税の圧縮効果が得られないこともあります。
だからこそ今は、「とりあえず建てる」「とりあえず買う」という判断ではなく、『本当に必要かどうか』、『無理のない投資かどうか』、『売却は選択肢として考えられないか』を慎重に検討することが大切です。
不動産会社として、今後も現場の情報を継続的にお届けし、先生方の顧問先支援にお役立ていただければ幸いです。
(出典) 一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数」
(執筆者)(株)デューデリ&ディール 藤原 友也