こんにちは。
株式会社デューデリ&ディールの風間です。
2025年を迎え、はや1か月が経過しようとしています。
会計事務所の皆様におかれましては、まさに繁忙期に突入されているところかとは存じますが・・・
箸休め的な休憩の折にでもお目通し頂けましたら幸いです。
『2024年の不動産相談内容分析から見える不動産所有者のニーズと市場動向』
弊社(D&D)では、平素より多くの会計事務所さまに「不動産の調査及び現在価格診断」サービスをご利用頂いております。以下では、昨年1年間で弊社がご依頼を受け調査させて頂いた、426件の不動産に関する分析結果を元に、現在の市場動向や不動産所有者のニーズについて考察します。
データは、相談内容、物件ジャンル、依頼目的、所有者の意図、そして不動産診断書作成後に売却まで至った方の割合も参考までに出しています。
■■■分析結果■■■
【1】相談原因
【2】物件ジャンル
【3】依頼目的
【4】所有者の目的
【5】診断書作成後の成約率
■■■分析結果を受けて■■■
1. 相談内容から見えるトレンド
最も多かった相談原因は「資産整理・見直し」(55%)、次いで「相続(発生後)」(39%)でした。
この結果は不動産が単なる資産ではなく、家族間の重要な財産であり、長期的な視点での管理が必要とされていることを示しています。
また、近年は相続発生前に資産のチェック・見直しを意識されるご家族の割合が増えてきていると読み取れます。
一方で、「投資回収」や「債務整理」などの理由は2%未満にとどまり、不動産が主に保有・管理の観点から相談されている現状が浮き彫りになっています。
2. 物件ジャンル別の傾向
「土地」が51%と最多を占め、「一棟収益マンション・アパート等」(17%)、「土地建物(中古住宅等)」(15%)と続いています。
不動産のなかでも、特に「土地」の価値は簡単に「相場」で語ることが非常に難しく、同じアドレス、同じ面積でも地形、高低差、道路付、用途地域など価格に多大な影響を与える要素が多数あります。
当然ながら土地に限らず、所有されている不動産の現在価値について把握しておくことは、まさに「人間の健康診断」のように肝要かつメリットも非常に大きいと私どもは考えております。
(年末に行った私の健康診断結果が今年の食・運動生活を見直す必要ありと明確に示していたように・・)
3. 依頼目的と所有者の目的
この「3.依頼目的」は、所有者の意図ではなく、ご依頼を頂く「会計事務所の紹介者(担当者)様の依頼目的」割合です。
「売却目的(数年後の将来見通しを含む)の診断書・査定書作成」が66%と圧倒的に多い一方で、「売却意思不明だが診断書・査定書作成」(23%)も一定の割合を占めています。
弊社は、一般的な売却目的の査定に限らず、将来的な売却を前提としつつも慎重に検討を重ねたいという所有者のご要望にもお応えしております。
そのため、上記売却目的とは、紹介者様の「現在市場においていくらで売れるか知りたい」を含んでいます。
そして実際に「4.所有者の目的」については、紹介者様側での現状把握用として「不明」が41%と最も多く、次に「売却(単独依頼)」(26%)が続いています。
このデータは、提携頂いている多くの会計事務所・紹介者様が「具体的なアクションを起こす前に現状を把握したい」と考えておられ、それを顧客アドバイスに活かされていることを示唆しています。
4. 診断書作成後の成約率
診断書作成後の成約率はわずか8%で、未成約が92%を占めています。
この低い成約率は、不動産診断書の役割が売却の最終段階ではなく、初期段階の意思決定支援や情報提供に重きを置いていることがあるためとも言えます。
また、売却を即断しない慎重な取り組み(コンサル含む)によって、2年後、3年後などに具体的アクションに移行される方も多くおられます。
5.結論と展望
今回の分析結果から、不動産所有者様は資産の整理や見直し、将来的な活用方法の検討といった、長期的視点を重視されていることは明らかですし、
弊社の不動産診断書を活用した現状把握・各種コンサル・セカンドオピニオン等は紹介者様及び所有者様にもご好評を頂戴しております。
今後は、所有者様が具体的な行動を取る際のハードルを下げるためのサポートが必要とされるでしょう。
弊社としても、デジタルツールを活用した定期的な簡易診断サービスや、多様な選択肢を提示するコンサルティングサービスが今以上に求められると感じています。
不動産所有者様への新たなアプローチの重要性が高まる中、その一つの方法として、弊社の「不動産診断書」作成サービスをご活用頂けましたら幸いです。
■■■おまけ■■■
昨年実施いたしました競り上げ式不動産オークション『UP AUCTION』の分析
●「上位5%の金額=スタート価格」からの平均競り上げ率:+16%
● 最高競り上げ率:+43%(お客様も我々もびっくり)
不動産価格高騰もひと段落ついたかなと感じられるも、無理しないと買えない状況は続いている印象です。
さて、2025年の市況動向やいかに・・・?
(執筆者)
(株)デューデリ&ディール
風間 輝幸