2019.05.29 メルマガ

D&Dの不動産メルマガ 第8回【不動産売却を任せる会社は(専属)専任媒介、一般媒介のどちらが良いか】

不動産売却を任せる会社は(専属)専任媒介、一般媒介のどちらが良いか
 
 前回のセカンドオピニオンに関連して、この件もコメントをしてみたいと思います。結論としては「どちらのやり方もメリット、
デメリットがあり、売主様の依頼の前提、依頼条件によるので、絶対的にどちらが良い、という答えは無い」というのが一般的な
回答になりますが、不動産業界でよくあるケースをご理解いただいた上で、あえて踏み込んだ見解をあげてみたいと思います。

【(専属)専任媒介】

依頼者側
●メリット
・信頼できる1社に任せれば事足りる
・宅建業法上、一定期間毎の報告義務があるので営業活動の進捗状況の説明が受けられる
■デメリット
・他の業者に依頼することができないため、任せた業者がきちんとやってくれないと、その間打てる手がなくなる(専任媒介の
 場合は自分で探すしかなくなる)

不動産業者側
●メリット
・窓口が一元化されているので営業活動に力がはいる。(成約すれば必ず報酬が得られる)
 ⇒他に依頼されることが無いため営業活動に尽力してなかったり、十分に高い金額でない買主を強引に推すなど、不動産会社の
  都合優先の営業活動になっているケースが散見される
■デメリット
・1社窓口で任されているので、売却完了まで責任をもって活動する必要がある

【一般媒介】

依頼者側
●メリット
・複数の窓口に任せることができるため、業者間で競争原理が働く
・売れやすそうな物件の場合、数社に依頼したら、高い金額の買主が複数現れる可能性
■依頼者側のデメリット
・複数の業者から別々に営業活動の進捗報告を受けなければならず、煩雑
・進捗がないと報告に来ない(宅建業法上、一定期間毎の報告が義務化されていない)
・案件の難易度(物件の難しさ、価格が高い等)が高いと、一般媒介で受けている業者に責任感がなくなりやすい(いい買主候補
 が出てきた時だけしか動いてくれず、実質放置がされるケースも少なくない)
 ⇒難易度が高い案件の場合、複数に依頼して間口を広げているつもりが、手間のかかる案件を不動産会社が嫌い、きちんと動い
  てくれていない場合がある

不動産業者側
●メリット
・難易度の高い場合には、他にも売却依頼をかけている先があるため、売れないことの責任を問われにくい
■デメリット
・売れやすい物件であればあるほど、他にも競合がいるので競争原理が働くが、自社が買主を探せないと報酬ゼロの可能性がある
 ため、顧客意向を十分に汲むよりも勝てるような営業に注力しがちになる
 ⇒最も良い提案をした1社に任せず並行で依頼をすると、所有者の意向を無視した情報のバラまき合戦が始まり、所有者の意向
  を損なったり、所有者が複数業者の対応に振り回されるケースがある

 このように、不動産会社が売主の要望通りに動いてくれて、不動産会社間の競争原理をきちんと働かせて、複数の買主候補にあ
たり、必要であれば他の仲介業者に声をかけてくれれば、売主は自ら一般媒介でわざわざ競争原理を働かせなくてもよいというこ
とになります。

 一方で、売主には「1社では信用できない」「いろんな会社の話を聞いてみたい」「一度提案を受けた会社が断りにくい」等の
考え方があるため、一般媒介のケースも少なからずあると見受けますが、弊社としては、
①物件の詳細調査(物件の潜在価値の把握と、情報開示すべき瑕疵、留意点等の説明)
②価格査定(最有効使用、高値が見込まれる買主のターゲット、査定額の説明)
③具体的な営業先のイメージ(直接紹介、インターネット、仲介業者への情報開示等)
④営業活動のプロセス、営業活動の期間、経過報告の仕方
等についてきちんと対応できれば、(専属)専任媒介で依頼をされたほうが、双方にとって良いと考えております。弊社は売主様
の要望事項を踏まえ、オークションの概念を営業に生かし、売却価格の引き上げに十分な交渉力を発揮させていただけるよう、窓口
の一元化をお願いしております。