2020.12.23 メルマガ

D&Dの不動産メルマガ 第27回【建築基準法上の道路について及びその調査方法】

 

●建築基準法上の道路について

 道路には、人や車が通行するため、日照や通風を確保するため、いざという時の避難路や緊急車両が入って安全を確保するための機能を持っています。
これらの道路の機能を定める法律として、民法、道路法、建築基準法があります。このうち建築基準法においては建物を利用する人のために、日照や
通風、安全を確保するための道路がどのような道路なのかを定めています。

 建築基準法の道路に面していなければ、建物を建てることができません。
 建築基準法では「幅員4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接道していないと家は建てられない」ことになっています。
 建築基準法上の道路に面しているか否かで不動産の評価が大きく変わります。
 

●建築基準法上の道路の種類

<道路幅員4m以上>
・42条1項1号 ・・・ 国・都道府県・市町村等が管理しており、路線認定を受けている道路
・42条1項2号 ・・・ 都市計画法等による道路
・42条1項3号 ・・・ 基準日(建築基準法施行時の昭和25年11月23日)にすでにあった道路
・42条1項4号 ・・・ 都市計画法で2年以内に事業が予定されている都市計画道路
・42条1項5号 ・・・ 民間が申請を行い、行政から位置の指定を受けて築造された道路
            通称「位置指定道路」

<道路幅員4m未満>
・42条2項 ・・・ 基準日(建築基準法施行時の昭和25年11月23日)にすでにあった道路に家が立ち並んでおり、将来的に4mに後退可能な道路
・42条3項 ・・・ 基準日(建築基準法施行時の昭和25年11月23日)にすでにあった道路に家が立ち並んでおり、将来においても4mに後退不可能な道路

※42条2項道路のうち、土地の状況により、将来的にも4mの幅員を確保できない場合は、救済措置として道路中心線からの後退距離(セットバック)を
 2m以下とし、もっとも狭い場合は、1.35m(道路自体の幅員は2.7m)まで緩和する道路が42条3項道路です。道路中心線から道路境界線までの距離、
 または一方の道路境界線からもう一方の境界線までの距離を水平距離ということから「水平距離指定道路」や「3項道路」とも呼ばれます。

 上記の建築基準法上の「道路」に接しない敷地で建築確認申請を行おうとする場合は、確認申請の前に43条第2項1号認定、または43条第2項2号許可
取得しなければなりません。尚、許可基準は特定行政庁ごとに定められています。エッセンスだけ抜粋すると以下の通りとなります。(平成30年度の
建築基準法の改正により以下2号で規定)

・43条2項1号認定 ・・・ 敷地が幅員4m以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するもの
              に限る。)に2m以上接する建築物の内、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に
              適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合。

・43条2項2号許可 ・・・ 敷地の周囲に広い空地を有する建築物、その他国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、交通上、安全上、防火上及び
              衛生上支障がないものについて、建築審査会の同意を得て特定行政庁が法第43条第2項第2号許可
             (法改正前の法第43条ただし書き許可の内容と同様です。)した場合。

 

●建築基準法上の道路の調査方法

 調査対象の不動産が、建築基準法上の道路に該当するかを調べるには、役所の建築指導課(建築指導を行っている部署)で道路に関する図面を閲覧・取得
します。
 役所の道路管理課で調査すると、「道路法上の道路(主に県、市等が管理している道路)」であるかどうかは確認できますが、これに該当することが建築
基準法上の道路であることと一致しているわけではないので注意が必要です。(市道でも建築基準法上の道路ではないことがあり、この場合、この道路に
面しているだけでは建物が建てられません。)
 役所ごとに異なりますが、住宅地図に建築基準法上の道路が色塗りされていたり、コンピューター画面で確認できたり、役所の窓口で直接聞く場合があり
ます。建築基準法上の道路に該当するかはっきりしないときは、役所に道路調査を依頼します。
 また、自治体によってはインターネットで調べることもできます。GoogleやYahooで「◯◯市 道路」と検索すれば調べることができます。