2023.09.27 コラム

第60回 【いよいよ麻布台ヒルズ開業 高騰続く都内新築マンション】

①麻布台ヒルズ開業

 11月24日にいよいよ麻布台ヒルズが開業します。

 計画区域は約8.1haと大規模であり、オフィス、住宅、商業施設、文化施設、教育機関、医療機関など都市機能が集積されています。緑化面積が約2.4haを占めるのも特徴です。

 森ビルが30年以上の歳月をかけて300人超の地権者との合意形成を進め、2017年には国家戦略特区法に基づき都市計画が決定され、2018年3月の再開発組合設立認可を経て、ようやく2019年8月に着工開始し、現在に至ります。

 

②アマンレジデンス東京

 メインタワーである「麻布台ヒルズ森JPタワー」は高さが約330mとなり、大阪にある「あべのハルカス」を抜いて日本一高いビルとなります。余談ですが、日本一高いのは4年間限り。なぜなら、2027年にはさらに60m高い「トーチタワー」が東京駅近くに建設予定であるためです。

 地下1階~4階が商業施設、5~6階は慶応義塾大学予防医療センター、7~52階はオフィスフロア(基準階面積約4,800㎡)、そして54~64階が総戸数91戸の「アマンレジデンス東京」となります。森ビルが高級リゾートホテルで有名なアマンと協業して展開する高級レジデンスであり、居住者専用のラウンジ、バー、ライブラリー、スパ等が備わっています。

 一部の高所得者に向けてクローズド販売されているようで、1,500㎡の最上階ペントハウスの販売額は2億ドルと噂されており、現在の為替レートで300億円近い計算になります。

 ちなみに、「麻布台ヒルズレジデンスA」の1~13階にはアマンが手がける世界初登場のホテルである「ジャヌ東京」がオープンします。

 

③高騰続く都内新築マンション

 アマンレジデンス東京以外にも、今年は三田ガーデンヒルズが話題となりました。

 旧逓信省跡地に三井不動産グループと三菱地所グループが共同開発している高級分譲マンションですが、こちらの最高額住戸は45億円と言われています。

 2023年7月の東京23区の新築分譲マンション1戸あたりの平均価格は1億3,340万円であり、2019年が7,000万円台であったことを考えると、右肩上がりになっています。

 背景としては、人件費や建築コストの高騰がマンション価格に転嫁していることが挙げられます。実需以外にもマンション価格の上昇を見込んで富裕層や企業が購入しており、その中には円安の恩恵を享受する海外投資家の姿もあります。しばらく高止まりの傾向は続きそうです。

 

(出典)

森ビル株式会社「麻布台ヒルズファクトブック2023」

株式会社不動産経済研究所「新築分譲マンション市場動向」