①今回の取組概要
・対象不動産は大阪市内にある元食品工場、倉庫と自宅兼用の建物ならびにその敷地
・敷地は約300坪あり、先代が生前に同じ面積で2筆に分筆した土地を1筆ずつ兄弟で相続されていた。
・ご兄弟の知人経由で、ある開発事業者さんが相対取引(手数料不要)で購入意向を示され、その金額(X円)で売却を勧めようと考え、
付き合いの税理士さんにお話しをされた時に、その税理士から「1社だけの金額で決めるよりは、不動産オークションをやってくれる会社があるので、
そちらの話を聞いてみた方がメリットがあると思う。」と弊社をお勧めいただき、弊社が提案の機会を得ました。
・開発事業者の提示金額は「明らかに安い」という程ではありませんでしたが、弊社の査定とこれまでのオークション実績を踏まえると、
この金額を「スタート価格」として競り上がりが実現できると予想できたため、「仲介手数料を払ってでも弊社窓口でオークションを
実施したほうがご兄弟にメリットを享受いただける。」とお話して、弊社での不動産オークション実施をご兄弟から了承を頂きました。
②売却の前提とした条件
①元工場は閉鎖して10年以上経ち継続使用は困難であり、兼用の自宅は売却後転居の予定であった。
売却の前提条件として現況有姿(解体前提)、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の売主免責とした。
②先代が過去、土地の境界確定、実測面積の確定を行っていた為、これらは再度行う必要はなかった。
③入居中の家財は引っ越し時に持ち出すが、それ以外の雑多な残置物は解体と併せて買主で処分を要請
③当社の活動
・有力候補先の選定とお声がけ
・内見希望社が8社あり、それらの先向けに内覧会(建物内の残置物の確認、図面がないため解体見積もりのため
建物内をきちんと見ておいてもらう必要があった。)を随時開催した。
・オークション要項を作成し検討各社に配布してオークション開催日を通知した。
④不動産オークション開催結果
・オークション参加者は、近隣の事業会社さんも含めた8社(内見者のうち応札断念先もあり)
・スタート価格はX円に弊社の仲介手数料を加算して、端数を切り上げたY円とした。
・応札終了時間を16:00としていたが、ある2社の競り上がりが続き落札確定が19:30となりました。
・落札額がスタート価格の約1.7倍まで達したため成功裏に終わることが出来ました。
・最後まで競合した2社は他の応札者と異なり、土地の高度利用ができる前提のPJ計画であったため、
この2社だけ突出した金額を出せることができたようです。弊社の事前の査定ではここまでの伸びは
織り込んでいなかったので、高値の引き出しを促進する仕組みとしてのオークションの機能を再確認した案件となりました。