2024.07.27 コラム

第72回 【位置指定道路とは?但し書き道路とは?】

過去のコラムで何度か「道路」について触れましたが、今回はあらためて「位置指定道路」と「(いわゆる)但し書き道路」についてご説明させていただきます。

 

位置指定道路とは

土地を建築物の敷地として利用するため、

道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、

これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

(建築基準法42条1項5号)

 

上記の通り、特定行政庁から「土地のこの部分が道路である」という道路位置指定を受けた道路です。幅員が4m以上であること、道路形態・道路境界が明確であることなどが必要となります。

これにより、私道は建築基準法上の道路となることができます。

例えば、大きな敷地を細分化して建物を複数建てる場合、道路に面していない敷地の奥の方では接道義務を満たせないケースが出てきますが、このような場合には、敷地内に位置指定道路を設けることがあります。

 

但し書き道路とは

協定通路という言葉を聞かれたことはありますか?

 

住宅街の一画などでよく見られますが、複数のの敷地の所有者が、ルールが記載されている協定書に承諾することで、お互いの土地を道路のように利用できるようにしたものです。

例えば、旗竿地の棒の部分をお互いに道路のように利用できることで、利便性や資産価値を高められることになります。

 

建築基準法上の道路ではありません。あくまでも通路です。

 

宅地を通路として使用しているため、再建築を検討しても協定通路のみに接している土地では不可能になる場合があります。再建築する場合、役所に建築基準法上の道路とみなす但し書き道路として申請し、認定もしくは許可されなければなりません。

2018年の法改正前は建築基準法43条の但し書きとして規定されていたので、現在でも但し書き道路と呼ばれることが多いですが、現行法では43条2項に規定されています。

建築基準法上の道路に接道しているかどうかで、土地の価値は大きく変わってきます。

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建築基準法上の道路について

法42条1項1号道路
道路法の道路(国道、都道及び市町村道)で、幅員4m以上のもの
法42条1項2号道路
都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律などに基づき許認可等を受けて築造した道路で、幅員4m以上のもの
法42条1項3号道路
「基準時(建築基準法が施行された昭和25年11月23日と当該市町村が都市計画区域に指定された時点とのいずれか遅い時点)」に既に幅員4m以上のもの
法42条1項4号道路
道路法、都市計画法その他の法律による新設又は変更の事業計画のある道路で、事業者の申請に基づき、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
法42条1項5号道路(位置指定道路)
土地の所有者が築造する幅員4m以上の道で、申請を受けて、特定行政庁がその位置の指定をしたもの
法42条2項道路
「基準時(建築基準法が施行された昭和25年11月23日と当該市町村が都市計画区域に指定された時点とのいずれか遅い時点)」に存在する幅員4m未満の道で、既に建築物が建ち並んでおり、その他特定行政庁が定める基準を満たすもの
法43条2項1号道路(但し書き道路)
その敷地が幅員4m以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省で定める基準に適合するものに限る。)に2m以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
法43条2項2号道路(但し書き道路)
その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの