こんにちは。
株式会社デューデリ&ディールの日竎(ひび)です。
【公示価格から見る地価動向(東京、大阪)】
2025年3月18日に1月1日時点の公示地価が発表されました。翌19日の日本経済新聞、第二部(地価公示特集)によると「全国全用途平均は4年連続で上昇した」とあり、東京23区は商業地、住宅地全ての地点で上昇しコロナ禍以降、地価は完全に回復したといえそうです。
今年も、この特集で選定されている東京、大阪の全地点をレビューして地価動向を見て参ります。
【東京都(全2,602地点)1,284地点】
①都心23区:特集に抜粋されている896地点
都心23区では商業地、住宅地とも全地点があきらかな上昇傾向を示しており、下落地点はゼロ。
②郊外(23区以外):特集に抜粋されている388地点
特集に掲載外の多摩地区、島部で13地点で下落地点があるようですが、特集掲載地点では昨年個別に地点を見てみた町田市の2カ所(「町田市野津田町暖沢前3210-211」、「町田市図師町一号84-84」)も横ばいで下げ止まりました。その他地点でも下落地点はなく、横ばいの地点は「八王子市」「町田市」「青梅市」「あきる野市」等多摩地区に限定されています。
東京都は直近5年間で人口増が続いており、インバウンドの増加も当面続くと見込まれるため、地価動向は上昇傾向が続きそうです。
【大阪府(全1,687地点)648地点】
①大阪市内:特集に抜粋されている162地点
大阪市内に限定すると商業地、住宅地とも上昇傾向を示しており、下落地点はゼロ。
②郊外(大阪市内以外):特集に抜粋されている486地点
全体的には上昇傾向にはあるが、東京都と比べると下落地点がまだ特集掲載地点だけでも25か所あり
「岸和田市」「泉南市」「泉南郡」「阪南市」等の大阪南部、「東大阪市」「松原市」「羽曳野市」「藤井寺市」「河内長野市」等の大阪府東南部の内陸部で下落地点が残っています。
都市外縁部の市町村は下げ止まったとはいえないようです。
大阪府は市内中心部他一部の市を除いて人口減少続く市が多い中、大阪南東部に下落地点が集中する理由は概ね次の5つくらいに集約されると考えられます。「人口減少」、「都心回帰傾向」、「高齢化の進行」、「交通利便性の相対的低下」、「経済活動の停滞」で特に経済活動については大阪南東部は、北部に比べると劣後しているように見うけられ、地価上昇を抑えているようです。
最近、和歌山市、堺市等でAI関連企業によるDC用地取得がニュースになっています。泉南地域から和歌山方面の地価上昇の起爆剤になると良いのですが。
(執筆者)
(株)デューデリ&ディール
日竎 智之