こんにちは。デューデリ&ディールメルマガ編集部です。
今回は、弊社の不動産オークションをご経験いただいた税理士先生と、慶応義塾大学経済学部教授・弊社チーフエコノミストの坂井豊貴氏の対談の様子をお届けします。初めてのオークションはどういう感想を抱かれたのか・・・是非ご一読ください。
対談:坂井豊貴(慶應義塾大学経済学部教授) × 辰巳景祐(税理士)
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「不動産をオークションで売る」という新しい選択肢
坂井: 辰巳さん、今日はどうぞよろしくお願いします。
辰巳: よろしくお願いいたします。
坂井: 辰巳さんは税理士でいらっしゃいますが、不動産の売却相談ってよく受けるんですか?
辰巳: はい、いろいろなケースがありますが、特に多いのは相続ですね。不動産を相続しても、納税資金が用意できない場合に売却せざるを得ないという状況が多いです。
坂井: なるほど。今回は、辰巳さんが「デューデリ&ディール」に依頼してお客様の不動産オークションを支援されたんですよね。不動産をオークションで売るというのは、どういうきっかけで知ったんですか?
辰巳: 共通の知人から紹介されました。最初は私も半信半疑でしたが、仕組みを聞いて「これは面白い、お客様に紹介してみよう」と思ったんです。
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売主の不安と、価格の透明性
坂井: オークションと聞いて、売主さんは最初どんな反応でしたか?
辰巳: 正直、身構えていましたね。「ネットで?」「オークションで?」と。不動産は仲介業者を通じて「この価格で売る」と決め打ちするのが一般的ですから。
坂井: そうですよね。価格を買い手側に委ねるオークションは、売主さんにとっては馴染みがなくて不安でしょう。
辰巳: その通りですね。最初は知り合いの不動産業者さんに4000万円で売るつもりだったのですが、その提示価格が「少し安いのでは?」と不安に感じたようで。そこにオークションの話を差し上げ、担当者さんからの話も聞けたことで「試してみようか」となったんです。
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ドラマのような展開、価格の急騰
坂井: オークション当日はどうでしたか?
辰巳: 私はネットで見守っていました。4500万円がスタート価格だったんですが、開始直後に5000万円の入札がいきなり入ったんです。その時点で興奮してお客様にすぐ電話しました。「5000万円行きましたね!」と(笑)。
坂井: それは嬉しいですよね。でもそこからさらに…?
辰巳: そこから数時間動かなかったんですが、終了直前から再び上がり始めたんです。入札が止まらなくなって、締め切り時間を過ぎてもまだ続いて。落札価格は印象的だったので正確に覚えているのですが、最終的に6420万円まで上がりました。締め切り時間を過ぎても入札が続くのは本当に興奮しましたね。
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オークションがもたらす「納得感」
坂井: 結果的に、最初に提示されていた業者の金額より大幅に高く売れたわけですね。
辰巳: はい、売主さんも最初の5000万円の入札ですごく喜んでました。最終的な価格にはもちろん満足されていましたが、同時に長い付き合いの業者さんに低い価格を付けられたことに残念な思いも湧いてきてしまった様子でした。
坂井:その不動産業者さんは低くつけすぎたと思われても仕方がない。でも反面、価格ってやっぱり付けるのが非常に難しいものだと思うんですね。
今回のように、買主さんたちが競争して、いくらで買うかを決めてもらう。それが市場の価格の発見だと思うんですね。だからやっぱり売主さんと不動産業者で価格を付けるよりは、買主さんたちに競争的につけてもらう方がうまく行くいう話なのかなと。
辰巳: その価格が相場と言える何かがあれば、売主さんも納得はしやすいのかな。
坂井:そうですね。価格形成の透明化ってすごく重要だと思うんです。勘と経験で付けました。それはもしかしたらすごく誠意を持って付けた価格かもしれません。それでも何故その価格になったのかって分かんないわけですね。オークションって、価格形成のプロセスが丸見えなわけです。その意味では、すごく透明です。
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不動産オークションを選択肢の一つに
坂井:税理士という仕事をするにあたって、同業の方との差別化は大事だと思うんですよ。その差別化の一つに不動産オークションはなりえるものですか。
辰巳:正直、オークションを知っているから、お客様が増えるというのはないかなと思うんです。ただ、自社の税理士事務所の強みを増やしていく一つの手段であるし、僕は間違いなく凄く良いものだと思っています。いろんなスタイルの税理士さんがいらっしゃいますし、ちょっとこういう言い方はあれかもしれないんですけど、そういう選択肢を持っておかないと生き残っていけないんじゃないかと思います。
坂井:本日は貴重なお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。
辰巳: こちらこそ、ありがとうございました。
対談日:2025.3.31