今回は相続関連から少し離れたお話です。弊社は投資コンサルティング業務も行っています。具体的には案件ごとでの「投資家と共同
で不動産投資スキームの検討」、「資金調達サポート」、「投資実行後の不動産実務の一括代行」などです。最近は不動産相場が高騰し
て高止まり感があるのと、融資環境の悪化により、無理に案件を探すことは控えています。
投資コンサルティングを行う際や、士業の方から収益物件の査定依頼を受けたときに必ず見ている資料として、日本不動産研究所が
毎年4月と10月時点で一般公開している「不動産投資家調査」についてコメントしたいと思います。今年の4月分は5月28日に公開されま
した。
半年毎に150社前後の不動産投資関連企業(銀行、生保、大手不動産会社、外資系投資銀行等)から物件種別毎、エリア毎の不動産投
資利回り、不動産価格の今後の動向予測をアンケート形式で回収し、集計した数値の中央値が公開されています。
この数値は、必ずしも取引事例値そのものではありませんが、多数の有力な不動産プレーヤーの集計値ですので、今後の有力な気配値
と考えられます。
レポートの内容から読み取れるポイントをいくつか列挙させていただきます。
① 不動産価格のマーケットサイクルには「山、谷」があるとされていますが、今はマーケットサイクルの頂点である「山」であると見て
いる投資家が6か月前より更に増加している。(東京で14%増の80%の回答を占め、大阪でも10%増の65%の回答を占める。)
② 1年以上前から、マーケットサイクルの頂点と見ている先が過半を占めており、不動産価格がしばらく高値圏内に置いて横ばいで推移
していると思われる。
③ 各回答者向けの「現状の市況がいつまで続くか?」との質問に対して「2020年まで、2021年まで」という回答が過半を占めているこ
とから、ピークは2年後くらいと予想している先が多い。しかし①②からすると、「頂点の状態がもうしばらく続くと見込まれる?」
との読みになる。
この資料の中の投資利回りの期待値は、収益物件の価格査定にも重要な参考値として参照させていただいておりますが、その具体的な
内容は次月ご案内させていただきます。