●事例
・福岡県福岡市内の住宅地域内の古家の空き家(1年前まで長期間賃貸していたが入居者が転居した)
・所有者の旧家となるが、所有者は大阪市在住、また高齢でもある為、現地での売却の手配が難しい。
・対象地上の古家は相応の年数が経過している。長期間賃貸していたので所有を継続していたが、退去後再度賃貸に
出すのは難しいと判断され売却依頼となった。
●今回の取組概要
・2年前に所有者の親族の不動産売却にかかわったご縁で今回の別件の相談を受けるに至った。対象物件は大阪事務所
からは遠隔地にあり、一般的には地場の不動産会社に依頼するのが良いが、以下の個別性を勘案すると弊社が窓口と
して受けるのに適していると判断した。
①建物は老朽化しており、修繕工事を所有者で実施する気はなく、取壊し前提での現状有姿での売却
②取壊しが最有効使用と判断し、戸建業者を買主候補としての営業を提案。
③売却までの時間的制約はなく、高値売却を希望。弊社で売主窓口を行うことを要望された。
・弊社からは、購入候補先を広く募る為にも、境界確定・実測は売主側で行う事(弊社で手配)、購入候補先への営業
活動は現地の不動産仲介業者の協力を仰ぐ事を伝え了承を頂く。
●売却あたっての事前準備
・対象物件の机上調査と営業活動に協力をいただける地場の業者の選定
・選定した地場業者に現地調査協力依頼と、買主候補リストアップの協力を要請
(弊社から40社提示、協力業者から追加で5社提示を受けて合計45社への営業することとなった)。
・弊社で土地家屋調査士を選定し、対象土地の境界確定、実測作業の着手と現地立会い(福岡出張)。
●購入検討先への営業プロセス
・現地調査と土地家屋調査士との打ち合わせのため昨年12月初旬に現地実査。
・福岡地場で、弊社コンセプトで営業活動に協力いただける地場の仲介会社を選定し、福岡市内の戸建分譲実績のある
事業者45社をリストアップ、弊社を売主側、福岡地場の仲介会社を買主側営業の一元的な窓口として、45社への営業
活動を委託。(隣地所有者の1社は不動産業者であった為、営業先に追加)
・所有者は対象地の現在の物件の状況についてほとんど知らず、土地(構築物、地下含む)、老朽化建物の一切の契約
不適合責任の免責を前提とした実質入札とし、最高値の先への売却となった。
●総括
・遠隔地の物件の売却協力となったが、売主側業者の役割と買主側業者(営業協力委託先)の役割を分けて共同仲介の
形を取ることで、売主対応と現場対応を効率的に進めることができた(弊社の福岡出張は2回だけ)。売却受託から
境界確定まで3か月、その後の売却活動4か月での売却完了となった。
・買主候補のリストアップ・選定に至る過程で当社が主導的な役割を果たすことで、地場の仲介会社の協力を仰ぎなが
ら、買主候補の価格競争を引き出して売却先を決定することができた。