2023.05.25 メルマガ

D&Dの不動産メルマガ 第56回【不動産オークション事例】

 

不動産オークション事例

 

★事例 「大阪府下の私鉄駅から徒歩20分弱の住宅地の一角にある生産緑地」

生産緑地の解除のため、30年の経過(故障、死亡以外の解除要件)を待っておられた顧客からの売却相談。本件は300坪
ある土地の一部で依頼者が定年退職後も兼業農家として耕作を継続されていたが、十分な手が付けられておらず、また、
ご子息は会社員の為、継続は難しかった。このため数年前から本件を手放すことを決めておられたご様子。

 

  • 今回の案件概要

・対象地は旧村の住宅地の中に存しており、道路が狭く普通乗用車が1台通過するのがやっと。

・駅距離が20分弱とやや離れ、繁華性、大学生の少ないエリアでもあり、共同住宅用地としては弱い。

・サ高住等の施設用地としては道路が狭く送迎車両の通行は困難。

・都計法上の開発は道路付けが弱く難しいが、最有効用途を戸建て住宅地として9区画の分譲地が成り立つ検証を行い、
問題ないとの判断に至る。

・生産緑地の制限解除は有力な買手が決まってから買取申請を提出することでリスク回避を図る。

・現地は高低差があり樹木が生い茂っていることから、解体費用、造成費用がかかる現場であると判断し、有力な検討
候補先には現地検証の機会を設ける計画とした。

・対象地と隣地の所有者の自宅の間にある古いブロック塀が既存不適格であり耐震が危ぶまれる為、一定の距離に控え
壁を買主の工事時に設置して頂く条件を付した。

 

  • 売却の前提とした条件

①売買契約後に生産緑地の制限解除。

②位置指定道路の協定許可後の農地転用5条受理取得

③売主様の契約不適合責任免責

④売主様による境界確定、地積更正登記

 

  • 当社の活動

・「対象物件の詳細調査を行い売主様へ報告書を提出」⇒「購入検討者への開示資料を作成」⇒「購入検討者の選定」⇒
「購入検討者へ物件紹介」⇒「購入検討者の中から有力候補先を見極め、有力者の現地内覧会を開催」との売却工程を
進めた。

・売主様とオークションのスタート価格を決定後、有力候補先数社限定で不動産オークションを開催

 

  • 結果

・スタート価格から約1.3倍まで落札価格が上昇した。当初の目標値1.2倍を上回る結果となったが、競合した2社の購入意欲
の強さが原因であったと思料される。2社の落札に対する執着が予想以上の競り上がりを誘発した結果となった。単純な入札
(第一価格方式)の場合、互いの提示額が見えない状況下での1回限りの応札のため今回の落札額ほどの価格上昇は起こらなか
ったかもしれず、競り上がりオークション採用の好結果と言える事例となりました。