2024.02.27 コラム

第66回 【売主に寄り添った不動産売却】

今回は高値売却以外の付加価値も提供できた不動産オークション事例をご紹介します。

 

取組概要

・対象の不動産は昭和40年代に建築された文化住宅。約3分の1は空室となっているものの、入居者は高齢の方が多く、最も古くから入居されている方は新築時より居住されている。

・売主様の先代から当該不動産は自主管理されており、家賃の回収、修繕の手配等をご自身で対応されていた。

・ご自身が高齢となっている事、子供世代が不動産を引継ぐ意思が無い事、今後の修繕の負担等を考慮し、売却を検討したものの、自主管理もされていた経緯から、各賃借人との人間関係も形成されており、自分達が売却する事により賃借人が困る事態は可能な限り避けたいと考えられていた。

・熟慮の結果、このまま保有を継続したとしても、台風や地震等の大型災害により建物が今後も維持出来るが不透明であり、その場合一番不利益を被るのは賃借人となる事、また将来子供に迷惑をかけられないという事等から、ご自身の世代で解決する事を決断されました。

 

売却先の選定

・建物は相応の築年数である事から劣化状況が著しいものの、都心へのアクセスも良好であり、新築戸建用地やアパート用地として充分な需要が見込まれる土地。

・賃借人対応可能な不動産事業者より相応の反響が見込まれるものの、本件の売主様と賃借人との関係性から、本物件の購入者には可能な限り賃借人への丁寧な対応が必要となる。

・当社の営業では価格面に加え、賃借人への対応方法も合わせてヒアリングし、売主様へ報告。結果、「売買契約締結後、引渡しまで最大1年間設け、その間に賃借人の次の転居先探しや、介護施設に入居すべき方はその手配まで行う」という提案を頂いた不動産事業者へ売却することとなった。

 

結果

・今回、売主様の一番の優先事項は価格ではありませんでしたが、結果的に賃借人への対応方法に加え、金額も十分ご満足いただける価格で売却することとなりました。

・賃借人も現在と変わらない賃料で新しい住まいに転居となった方や、本件を機にお子様とご一緒に住まわれた方等、売主様へご安心頂ける報告をする事が出来ました。

 

不動産をご売却する際は価格が最優先となる事が多数ですが、当社では売主様のお考え、ご意向を最大限尊重し、最適なご提案となるよう心がけております。