2024.03.28 コラム

第67回 【オークションがもたらす効果について】

オークションと言えば、サザビーズやクリスティーズに代表される美術品・芸術品のオークションが有名です。

 

現在、六本木の森アーツセンターギャラリーにおいて、MUCA(ムカ)展(開催期間:2024年3月15日~6月2日)が催されていますが、その展示作品の中にバンクシーの「風船のない少女」があります。

 

この作品のオークションは記憶に新しいところですが、2018年にサザビーズにおいて「少女と風船」として100万ポンド(円換算で約1億5,000万円)で落札された瞬間に額縁の下部に隠されたシュレッダーによって裁断されるという衝撃的かつ話題性に富んだものでした。

その後、「愛はごみ箱の中に」と改名された同作品は、2021年のオークションでは「風船のない少女」と改名され、何と1,600万ポンド(約25億円)で落札されたのです。

250万ポンドからのスタートで、オークショニアの参考価格400~600万ポンドを遥かに上回る、誰もが予想できなかった過去最高額での落札となりました。

 

オークションは「いくらで落札されるかわからない」という期待(一体いくらまで競り上がるのか)と不安(低すぎる価格で終わってしまうのでは?)が共存する取引と言えます。

弊社デューデリ&ディールが取り扱う不動産オークションにおいても例外ではなく、期待と不安が共存します。

「何度も競り上がって、かなり高い金額で売れるのではないか?」

「低い価格からスタートして、多数が参加したものの、落札額が低かったらどうしよう?」

「高い価格からスタートして、誰も入札しなかったらどうしよう?」

 

不動産という価格の大きなもので、売れる金額が「いくらでもいい」というわけにはいかないお客様の大事な資産を取り扱うにあたり、できるだけ「期待」にお応えできる結果を目指すことを第一としており、弊社が特に気をつけているポイントが3つあります。

 

1.参考価格の出し方

前述の美術品オークションに併せてこう表現しましたが、言い換えると「不動産の査定」になります。

しかしながら、一般的な「不動産の査定」では、市場の相場、物件の個別性・特殊性が持つ客観的な価値以外に、「査定者の思惑」が付加される傾向があります。

 

特に不動産業界の顕著な例として、

「同業他社よりも最高値になれば単独依頼を受ける可能性が高まる」

というものが挙げられます。

弊社では、市場に出した際に売却実現性の高い評価額を参考価格として売主様に知っておいて頂くことが重要であると考え、評価レポート(不動産診断書)を作成しております。

その参考価格を遥かに上回るような結果がオークションでは時折起きる。それは不動産オークションでも同様で、まさに醍醐味であり特徴であると言えます。

 

2.スタート価格の設定

弊社が最も大事なポイントとして取り組んでいるのが、スタート価格をいくらにするかということです。

前述のバンクシー作品を例に挙げれば、250万ポンドのスタート価格に対して255万ポンドで入札が止まった場合でも、落札額を不服として売却をやめることはできません。

つまり、売主はスタート価格である250万ポンドという価格に納得してオークションに出品していることになります。

オークションの結果、売却価格の競り上げが1万ポンドでも300万ポンドでも「増える分には儲けもの」というイメージです。当然、誰だってどんどん価格が競り上がって欲しいという思いはあるでしょうが、結果は買手によって決められるものです。

しかしながら、参考価格を1,000万ポンドも上回る1,600万ポンドは出来過ぎと言って差し支えないように思えます。

 

3.買手を集める

買主が最終的な金額を決めるわけですから、誰を候補者として選定するかという点も非常に重要です。有名な画家のオークションに、骨董品の壺や茶器が大好きな超富裕層を集めても、まともなオークションにならないことは容易に想像できます。

不動産とは面白いもので、同じ●●町■丁目▲番まで一緒でも、その現状、規模、地形、高低差、道路との関係などの諸条件によって価格だけでなく買手の層も変わってきます。

誰(どのような買手の層)が最も高値を付けることが可能なのか?

こちらも弊社の不動産診断書において、個別の案件ごとに参考価格と同時にターゲット層をご提案差し上げております。

 

【事例紹介】

2023年9月開催の相続不動産(土地、投資用マンション事業向け)オークションをご紹介します。

条件は下記の通りです。

・弊社の参考価格:200,000,000円~220,000,000円

・スタート価格:255,000,000円(入札参加者:5社)

これだけ見ると、弊社の参考価格は低いように見えるかもしれません。

しかし、購入候補者約70社中、200,000,000円以下の買取価格を提示した先は約50社、実に7割もいました。

オークションは、上位5社のみを招待して行われました。

対象地において行う事業はいずれの候補者も同一です。

(賃貸マンションを新築し、入居者を確保し、投資用として保有または投資家に売却する)

 

・落札価格:341,000,000円

最後まで2社が意地を張り合って、バンクシーとまではいきませんが、参考価格を大きく上回る、関係者全員が予想外の結果となりました。

それを象徴する話として、入札参加者の3~5位の候補者は口をそろえて、「1位は同業者ではありませんよね?」と疑うようなコメントをしていました。

 

まさに、競り上げオークションだからこそ出た価格であると実感した案件です。

 

まだまだ不動産売買において「競り上げオークション」というのはマイノリティですが、弊社ではこれまで約20年にわたり不動産オークションでの取引実績を積み重ねてきた中で、特に効果を発揮できる物件の見極めや取り組み方などのノウハウを蓄積してまいりました。

 

ご依頼頂いたお客様に喜んで頂ける結果を提供差し上げることを第一に取組んでいます。

不動産売却をお考えのお客様や、何か判断材料が欲しいというお話がございましたら、一度お気軽にお声がけ下さい。