2024年3月26日に1月1日時点の公示地価が発表されました。翌27日の日本経済新聞の第二部(地価公示特集)によると「全国全用途平均は3年連続で上昇した」とあり、コロナ禍の影響は完全に脱して、昨年から上昇傾向にある株価とも足並みをそろえて地価も明らかな上昇に向かっています。
今年は、この特集で選定されている東京ならびに大阪の全地点を見るなかで、特徴的な点について個別に抽出してコメントします。
【東京都(全2,612地点)1301地点】
①都心23区:特集に抜粋されている909地点
東京圏全体で、商業地は5.6%の上昇、住宅地は3.4%上昇している。
都心23区では商業地、住宅地とも全地点があきらかな上昇傾向を示しており、下落地点はゼロ。
②郊外(23区以外):特集に抜粋されている392地点
昨年は下落地点のあった八王子市は全地点で昨年比下落の地点はなくなりました。
町田市(昨年は下落地点4カ所)は、2カ所だけ下落地点が残っています。
・町田市暖沢前3210-211前年比 -0.1%でここ10年間横ばいと下落が続いている。
・町田市図師町一号84-84 前年比 -0.2%でここ10年間微減ながら価格が下げ止まっていない。
それぞれ町田駅からバス便で丘陵地にあり交通利便性が劣ることが下落の要因となっており、グーグルマップで航空写真を見たところ現地まで登り坂を経ないと行けないところでした。
【大阪府(全1,722地点)657地点】
①大阪市内:特集に抜粋されている163地点
大阪圏全体で、商業地は6%の上昇、住宅地は1.6%上昇しており、インバウンド需要が戻った大阪ミナミを筆頭に商業地が顕著に上昇している。
昨年、大阪市内で2カ所あった地価下落の地点がなくなり、全地点で横ばいか上昇している。
②郊外(大阪市外):特集に抜粋されている494地点
今年は下落地点は21地点(約4.2%)と大幅に減少し、大阪府下も地価上昇に向かっているようです。
しかしながら「堺市西区」「岸和田市」「泉南市」「泉南郡」等の大阪南部の海沿いで数か所、「東大阪市」「柏原市」「羽曳野市」「藤井寺市」の大阪府東部の内陸部で数か所、「豊中市」「高槻市」「箕面市」「池田市」等の北摂で1点ずつ下落しています。各エリアから1点ずつコメントしてみます。
・堺市西区山田2-4-15 前年比-0.2%と-0.5%前後の下落がここ10年続いている。
グーグルマップで見ると信太山の丘陵周辺にあり繁華性に欠け、最寄り駅からも遠いエリアです。
・藤井寺市野中4-4-15 前年比-0.9%と-1%前後の下落がここ10年続いている
平坦な住宅地であるが最寄り駅からは徒歩圏外であることが地価下落の要因とみられる。
・箕面市箕面2-1-30 前年比-1.3%と1%~2%の下落がここ10年続いている
箕面市内に北大阪急行線の新駅ができ、新駅周辺の地価は上がっているが、対象地は新駅から離れており、坂の上の宅地であることから人気が無く価格が下がっているようです。